『雲水謡』

12月11日に上海は西蔵南路、来福士(ラッフルズ)広場にくっついている和平影都で、12月1日から中国全土で公開された『雲水謡』を見てきました。
尹力監督、陳坤、ビビアン嬢、李冰冰主演。110分の映画でした。筋は比較的単純で、光復後の台湾から話は始まります。陳坤演ずる医学生が、裕福な歯科医の家の家庭教師になります。ビビアン嬢演ずる画学生の王碧雲の弟に英語を教えるうち、二人は惹かれ合って恋仲になる、しかし、男は毛沢東の本など読んでいる左翼学生で、二二八の弾圧を避けて、大陸に逃げる、そして音信不通になります。男は軍医として朝鮮戦争に従軍、そこで李冰冰演ずる女看護士と出会う。後にチベットで凍傷の研究も兼ねて病院の院長になった男を追って、この看護士もチベットに来て、そこで二人は結婚して子供をもうける。一方、ビビアン嬢、いや碧雲はひたすら男を待ち続けて一生独身を通す、男の母親も看取る。結局チベットの夫婦は雪崩に巻き込まれて死んでしまい、碧雲は男と再会することはできなかった…この顛末を碧雲の姪がルポに書くという狂言回しになってて、チベットには夫婦の息子がやはり医師でいることを突き止めるというオチでした。
うまく粗筋をまとめられなかったですが、まぁだいたいこんなお話。ビビアン嬢は大変な熱演でした。ポコペンとしてはそれだけで120パーセント満足なんで、話が単純だ、音楽がセンチに過ぎてウザいとか、分断の悲劇と統一への悲願といったイデオロギーとか、そんなこたぁどうでもよろしいです。40年代末期の女学生にしちゃビビアン嬢のスカートがちょっと短いような気がしましたが、まぁご愛嬌というか、ファンサービスでしょう。DVDを入手してじっくりと見直したいですね。

巴金精神遺産探討曁『随想録』出版二十周年座談会

2006年12月9日に中国は浙江省杭州で開催された「 巴金精神遺産探討曁『随想録』出版二十周年座談会」に参加しました。8日にレジスト、9日が終日座談会、10日に解散という日程。8日まで隣の富陽で開かれていた郁達夫の会の方が面白かった(?)というか盛り上がった(?)ようですが、こちらはいつもの顔ぶれで、それはなごやかなものでした。『随想録』日訳本の編集を担当された、筑摩書房前社長氏を動員したのが、私の功績だったかも。それだけでなく、諸氏の発言内容に啓発され、今後の研究のヒントも得ることができ、久し振りにタメになった会議でした。ただ会場が寒くて結構参りました。寒々とした感じが写真から伝わるでしょうか?

冬の杭州

12月8日に直行便で杭州へ。駆け足日程の上、学術座談会への出席が目的なので、ブラブラと写真を撮って回るわけにも行きませんでした。そのうえ天候もすぐれず、とにかく寒かったです。9月のリベンジというのはまたの機会ということに。とはいえ、冬枯れの西湖というのも、それなりの風情があるものです。“残荷敗葉”が画題になるのがよく分かりました。座談会、上海の模様はまた別にアップします。

リベンジ!

明後日、12月8日から杭州、上海に行ってきます。巴金『随想録』完結20周年記念、一周忌の記念もあるかな、そういうテーマの座談会に呼ばれまして。9月はきれいな写真を山ほど撮ったのに、デジカメを盗まれてしまい、悔しい思いをしたので、そのリベンジも密かに期するところであります。東京と同じくらいの気候なら、紅葉に期待できそうです。
1日から激務ともいうべき役職が降ってきて、アァ、今後の身の振り方についても、独りでジックリ考えてこようかな。というわけで、10日に会議が解散になってから、上海に移り、12日には帰ってきます。帰国後、ここにも写真をたくさんアップする予定なので、乞うご期待!